音韻音声をききとったり発音する能力は、生後、その母語に適するようにかたちを 変えます。この能力は言語によって異なるため、外国語をきいたり発音する場合 に問題が起きる場合があります。日本人が英語の/r/と/l/や母音が苦手なのは、 この典型的な例です。 日本人が区別できない/r//l/についての素朴な疑問と,研究結果をみてみましょう。 |
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1)なぜ、区別できないの?●頭の引き出しが問題! 耳から入った音声信号は、まず聴覚器官を通り、脳の聴覚野に伝わります。この過程でさまざまな分析が行われ、何という音であったか認知されます。この段階で音韻(母音や子音)は、その言語で意味のあるカテゴリーに分類されます。この音韻カテゴリーは、引き出しに例えるとわかりやすいかもしれません。 ●引き出しの境界があいまい アメリカ人の場合、/r/と/l/の引出しの境界が明瞭で、入れ間違えることはありません。ところが、日本人の場合、境界がはっきりしていません. |
●引き出しがゆがんでいる /r/や/l/の合成音を、アメリカ人と日本人で聞きとりの仕方を比較したところ、 アメリカ人では、/r/と/l/の音響的な違いであるF3できき分けているのと対照的に、日本人では、むしろF2に着目してきき分けていることが明らかになりま
した。 |
2)練習すれば聞き取れるようになるの? 発音できるようになるの?●聞き取れるようになります。 /r/と/l/の聞き取り訓練を行ったところ、訓練効果があることがわかりました。 |